2018年 6月 15日以降、民泊新法の適用により、届出等の手続きが必要になります。余裕をもって早めに準備することを心がけましょう!!

民泊の概要

民泊の概要

①民泊とは

(1)民泊の定義

  1. 民泊とは 宿泊用に供用された個人宅の一部や空家・空別荘、マンションの空室などに宿泊することです。 最初は、自分の住宅やお部屋などを長期間不在にする場合、家賃の穴埋め等に部屋を貸し出すという発想から、民泊という考えがスタートしたといってもよいでしょう。 海外では、お城や山小屋・パオ(テントのようなもの)などの、ユニークな場所を宿泊先として提供することも見受けられ、近年、注目されています。  
  2. 民泊サービスとは 厚生労働省によって民泊サービスとは、「一般には自宅の一部や空室・空別荘、マンションの空室などを活用して宿泊サービスを提供するもの」と定義されました。

(2)民泊が注目される背景

  1. 外国人観光旅客の増加 観光庁のデータによると2015年の訪日外国人観光旅客数は平均2000万人となっています(2005年の約3倍)。 更に2016年3月30日に行われた「観光ビジョン構想会議」では、2020年の外国人観光旅客数の目標を年間 2000万人から4000万人へ、2030年には6000万人を目指すということが決められました。  
  2. 宿泊施設の不足 急激な外国人観光旅客の増加に伴い、既存の宿泊施設だけでは対応が厳しい状況であることも一部の統計で見受けられます。  

(3)旅館業法との関係

急激な外国人観光旅客の増加と同時に、海外では既に一定のシェアと認知度があるインターネット民泊仲介サイトの出現で、個人宅の貸し出しが急激に増えました。 しかしながら、日本においては、寝具を提供し宿泊料をもらう行為は旅館業に該当し、旅行業法に定めのある営業許可を取得する必要があります。 ただし、「個人宅を貸し出す形での旅館業の営業許可の取得(旅館業の4類型の一つである「簡易宿所」の定義の中に入れて、旅館業の許可を取るように促すものの)は、不可能ではないものの、費用対効果の面でハードルが非常に高く、従来の旅館業法の範囲での住宅宿泊施設の運営は、旅館業法との折り合いがつかないまま、無許可による運営が急増しているという事態がここ数年の現状でした。

(4)無許可営業の取り締まり

外国人観光旅客の高い宿泊ニーズと共に、インターネットで個人宅等を仲介する民泊が登場してから、日本での民泊の登録件数が急激に増えました。 この形態は今までにないビジネスモデルのため、旅館業法が適用されるのか適用されないのか等、曖昧な状況が続きました。 また、ルール化されていない民泊が増えることで、いろいろなトラブル(ゴミ問題・近隣住民とのトラブル・一部の犯罪行為等)も発生しました。 これらのトラブルに対し行政としても対処が急がれました。 こういった問題が社会的に顕著に表れ、旅館業法上の営業許可の取得のないまま民泊ビジネスを行うケースは、「寝具を提供し宿泊料をもらう行為」という旅館業に抵触し、民泊の無許可営業は取り締まりの対象となり、一部刑事事件となる事例が見受けられるようになりました。

(5)民泊ビジネス

そこで政府としては、日本型民泊のビジネスモデルをつくり、一定の要件を満たした場合、都道府県への届出を行うなど、ある一定のルールーを義務付けた上で認めるという法律(住宅宿泊事業法)を制定(2018年6月15日施行)しました。 したがって、民泊をビジネスとして行う場合、住宅宿泊事業法に則った形で行うことが必要です。

②住宅宿泊事業法(民泊新法)とは

(1)住宅宿泊事業法(民泊新法)制定の背景と経過

民泊新法とは、従来の旅館業法で定める営業形態に当てはまらない、新しい営業形態である「住宅宿泊事業」に関して規定する法律です。 外国人旅行者が急増するとともに、宿泊ニーズも多様化してきました。それに対応して普及が進む民泊サービスの健全普及を図るため、事業を実施する場合の一定のルールを定めたのが「住宅宿泊事業法」です。 2017年10月27日に住宅宿泊事業法施行規則及び国土交通省関係住宅宿泊事業法施行規則が公布され、これにより住宅宿泊事業法の施行日が、平成30年6月15日とすることが決定されました。

(2)住宅宿泊事業法(民泊新法)による民泊とは

民泊新法で定められる民泊とは、「旅館業以外の人が住宅に人を宿泊させる行為で、その行為が年間180日超えないもの」とされています。 住宅とは、「家屋の中に台所、浴室、トイレ、洗面設備等の設備」があり、「実際に人の生活拠点として使われているところ」、又は「民泊利用の前後に人に貸し出している家屋」と定義されています。

(3)概要

  1. 住宅宿泊事業(民泊)を始めるには物件の所在地である都道府県知事への届出が必要です。 事前届出は2018年3月15日から開始となります。  
  2. 従来の旅館業法で定められている営業形態にあてはまらない、新しい営業形態を規定する法律で、その対象となるサービスは一年間で180日を超えない範囲内で営業することが規定されています。  
  3. 対象となる民泊施設はあくまで「住宅」という位置付けです。住宅とは、人の居住の用に供されていると認められる家屋で、現に人の生活の本拠として使用されている家屋、入居者の募集が行われている家屋、随時その所有者、賃借人又は転借人の居住の用に供されている家屋と定義されています。 宿泊施設として提供する家屋の建物用途も「住宅、長屋、共同住宅又は寄宿舎」という扱いになります。 住宅宿泊事業者(家主)、住宅宿泊管理業者、住宅宿泊仲介業者というそれぞれの役割に対する適切な規制を課し、適正な管理や安全面、衛生面を確保する仕組みになっています。  
*補足 住宅宿泊事業者(物件のオーナー等)の届出の他に、これらに付随する関連した事業の登録等の概略は以下の通りです。
  1. 住宅宿泊事業(者)=届出制度 180日を超えない範囲で、住宅で宿泊サービスを提供する事業(者)のこと。  
  2. 住宅宿泊管理業(者)=登録制度 1)から委託を受けて、届出住宅の維持管理を行う事業(者)のこと。  
  3. 住宅宿泊仲介業(者)=登録制度 届出をした住宅に宿泊したい人と、住宅宿泊事業を運営する人の仲介となって契約の媒介をする事業(者)。  

③住宅宿泊事業者とは

(1)住宅宿泊事業を始めるにあたって

新法の民泊を営む人を「住宅宿泊事業者」といいます。 住宅宿泊事業者になるためには物件所在地の都道府県知事への届出が必要になります。 民泊として提供できる家屋は次のように定義されています。 住宅宿泊事業法第2条第1項「住宅とは」
  1. 当該家屋内に台所、浴室、トイレ、洗面設備その他の当該家屋を生活の本拠として使用するために必要なものとして、政令で定める設備が設けられていること。  
  2. 現に人の生活の本拠として使用されている家屋、従前の入居者の賃貸借の期間の終了後、新たな入居者の募集が行われている家屋であって、人の居住の用に供されていると認められものとして政令で定めるものに該当すること。

(2)住宅宿泊事業者とは

前述のように「届出をして住宅宿泊事業を営む者」と定義されています。 つまり「民泊事業を行う人」が住宅宿泊事業者になります。 住宅宿泊事業には「家主居住型」と「家主不在型」の2つの民泊があります。 「家主居住型」とは、住宅宿泊事業者が自ら居住する住宅(原則として住民票があること)の一部を宿泊客に利用させるもので、不在とならない民泊です。 この場合はご自身で管理することができます。住宅宿泊事業者兼住宅宿泊管理業者となります。 「家主不在型」とは、届出住宅に宿泊客が滞在する間、住宅宿泊事業者が不在となる場合で、出張やバカンスによる不在期間の貸し出しも不在型となります。 この場合は「住宅宿泊管理業者」に管理を委託することが義務付けられています。 *管理業者は、別途、国土交通大臣への登録が必要

(3)住宅宿泊事業者の義務の概略

住宅宿泊事業者(家主)は以下の管理業務をすることが義務付けられています。この内容は複雑多岐にわたり、専門的な知識のない方が業務を行うには、多くの時間と労力を必要とするため、家主不在型では住宅宿泊管理業者に委託することが義務付けられております。(家主居住型では、家主ご自身での管理業務の遂行も考えられますが、専門的知識を要するところは、管理業者に一部委託等をすることが無難といえるでしょう) 業務に関する詳しい内容は多項目にわたるため、以下に主要なものを記載します。 詳しい内容を知りたい方は観光庁HP 住宅宿泊事業法施行要領(ガイドライン)を参照願います。 住宅宿泊事業法施行要領(ガイドライン)
  1. 宿泊者の衛生の確保 各居室の面積に応じた宿泊者数の制限(3.3㎡に1人)、定期的な清掃その他衛生の確保を図るための措置を講じなければならない。  
  2. 宿泊者の安全の確保 非常用照明器具の設置、避難経路の表示その他の火災その他の災害が発生した場合の安全の確保を図るための措置を講じなければならない。  
  3. 外国人観光旅客である宿泊者の快適性及び利便性の確保 設備の使用方法に関する外国語での案内、移動のための交通手段に関する外国語での情報提供、その他外国人観光旅客である宿泊者の快適性及び利便性の確保を図るための措置を講じなければならない。  
  4. 宿泊者名簿の備付け等 宿泊者名簿を備え、氏名、住所、職業その他省令で定める事項を記載し、都道府県知事の要求があった時はこれを提出しなければならない。  
  5. 周辺地域の生活環境への悪影響の防止に関し必要な事項の説明 騒音の防止その他の周辺地域の生活環境への悪影響の防止に関して、必要事項を説明しなければならない。  
  6. 苦情等への対応 周辺地域の住民からの苦情や問い合わせについては、適切に対応しなければならない。  
  7. 標識の掲示 公衆の見やすい場所に標識を掲示しなければならない。  
  8. 定期報告 住宅宿泊事業者は、届出住宅に人を宿泊させた日数その他の国土交通省令・厚生労働省令で定める事項について、国土交通省令・厚生労働省令で定めるところにより、定期的に、都道府県知事に報告しなければならない。